知識ゼロ・未経験から始めた介護。「重度」の意味すら知らなかったあの頃

――現在の職場と仕事内容について教えてください。

「うめの宿り」というサービス付き高齢者向け住宅で介護の仕事をしています。掃除から入浴介助、排泄介助、離床介助、起床・就寝介助まで、介護全般を担当しています。

――2022年にパートとして入社される前は、どのようなお仕事をされていたのでしょうか。

ずっと専業主婦をしており、介護の仕事の経験もまったくありませんでした。入社のきっかけは、同居していた夫の父親に介護が必要になったことです。自分でやってみたもののうまくいかず、「初任者研修というものを少し勉強しに行ってみよう」と思いました。その研修の場で「就職もできるよ」というお話をいただきまして、後々の自分の役にも立つだろうと思い、働き始めることにしました。

――入社を決めるにあたって、MSC以外の会社も検討されましたか。

訪問入浴介護専門の会社など、合計3社の面接に行きました。MSCが1社目だったのですが、面接で「お待ちしています」とかなり前向きなお返事をいただけたので、「ここだ」と決めました。面接を担当してくださった施設長も、施設長として初めての面接だったようで、お互いあまり緊張せずに楽しい雰囲気で話せたのが印象的でした。

――実際に働き始めてみて、事前のイメージとのギャップはありましたか。

サービス付き高齢者向け住宅は、利用者様の「自立度が高い」というイメージがありました。しかし実際には重度の介護が必要な方がたくさんいらっしゃる環境で、最初は驚きました。ただ、自分には合っていたと思います。元々あがり症だったので、言葉だけのコミュニケーションよりも、実際に体に触れながら関わる介護の方がスムーズにできました。名前を覚えて呼んでくださる利用者様もいて、それがうれしくて、たくさんの方と接するうちに徐々に緊張もしなくなっていきました。

「夜勤をやります」。子どもの成長が背中を押した、正社員への挑戦

――2025年に正社員になられたとのことですが、そのきっかけを教えてください。

当時少し人手不足だった背景もあり、会社側から「夜勤をやってみませんか?」とお声がけいただいたのがきっかけです。パート時代は基本的に夜勤を担当しておらず、夜勤は社員の方が担う業務だったので、それを任せていただけるということは、社員として働くことを意味していました。ちょうど保育園児だった子どもが小学校に上がるタイミングで正社員としての働き方に挑戦したいという思いがあったので、「夜勤をやります」「正社員として働きたいです」とお答えしました。

――正社員になる際の選考はいかがでしたか。

まず周りの社員の方に「社員になりたいと考えているのですが、どう思いますか?」と相談してから進めました。その後、リーダー・施設長・本社の担当者との面談がありましたが、パートとしての3年間の勤務態度や業務への取り組み方を見ていただいていたので、「ちゃんとやってくださっているので、大丈夫そうですね」という最終確認のような雰囲気で、難しい選考ではありませんでした。

――正社員になってから、新たに挑戦したことや、仕事の範囲で変わったことはありますか。

委員会活動に参加するようになりました。私はレクリエーション委員会に入っているのですが、きっかけは、それまで担当していたメンバーのひとりが産休に入られたことです。お忙しそうな状況も鑑みて「何か自分にできることはないか」と思い、自ら手を挙げる形で参加しました。やりたいことはたくさんあっても、今いる利用者様のレベルに合わせたレクリエーションを探して、それを実施できるスタッフを揃えるという調整がなかなか思い描くようにいかず、大変さを感じています。

パート時代と比べて一番難しいのは、忙しい中で他のスタッフの方に手伝ってもらえるよう働きかけることです。ただ、自分1人でやろうとしていたときに、それに気づいた別の社員の方が周りにも声をかけてくれたんです。そういう職場の雰囲気がとても助かっていますし、大前提として、楽しいです。レクリエーションを通じて、利用者様が色々な反応をしてくださるのもうれしくやりがいにつながっています。

他施設の話を聞いて気づいた、MSCの「当たり前」が持つ価値

――実務者研修で他の施設の介護職の方とお話しする機会があったとのことですが、感じたことはありましたか。

さまざまな介護・福祉施設で働く方々から話を聞いて、改めてMSCは人が良くて働きやすい職場だと感じました。他の施設では「コールが鳴っても自分の担当時間じゃないから対応しない」という話があったりして、自分の職場とはかなり違うなと感じました。

――MSCでそうした雰囲気が生まれた背景には何があるのでしょうか。

当社も以前は「介護の仕事だから、まずは介護をしっかりやろう」という雰囲気が強かったのですが、新体制になってから考え方が変わりました。上長との面談の場で、「掃除や入浴、トイレの介助をするのは当たり前」「その上でいかに楽しく暮らしていただくかを考えるのが介護職の仕事」と伝えられる機会があり、レクリエーションなどプラスアルファの取り組みをみんなでしていこうという雰囲気になってきています。

――成長を感じた場面や、ご自身で意識して取り組んできたことを教えてください。

自分の意見を発言できるようになったことです。元々は複数人の場では「それはちょっと……」と思っても言い出せませんでした。でも、周りの皆さんが「まずは言ってみてほしい」と促してくれたんです。実際に言ってみたら、自分が思っていたほど場がざわつくわけでもなく、ちゃんと聞いてもらえて、「伝えればいいんだ」と気づきました。今は根拠があって自信のあることについては、しっかり意見を言えるようになっています。

業務面では、認知症だけでなく高齢者がかかり得る病気について本で調べてファイルにまとめたこともあります。周りのスタッフはほかで経験を積んできたベテランの方ばかりで知識があったので、自分が知らないわけにはいかないと思って必死に勉強しました。「この病気だからこうなんだな」とわかると安心しますし、次のステップにも進みやすくなります。

未経験でも、明るく楽しめる人を歓迎します

――MSCで働く上で必要だと感じるスキルや姿勢を教えてください。

まず基本的な知識は大切です。未経験だとボディメカニクス(重心の使い方など)も知らないところからスタートするので、最初は基礎からしっかり学ぶ必要があります。現場では忙しくてすべて教科書通りにはいきませんが、基礎があった上で自分なりのスタイルを見つけていくことが大事だと思います。

ただ、未経験であることを心配しすぎなくて大丈夫です。排泄介助なども最初は「自分には無理かも」と感じるかもしれませんが、実際にやってみると全く気にならなくなります。

――MSCで活躍できる人の特徴を教えてください。

明るくハキハキ取り組める人が合っていると思います。大変なことや楽しくないと感じる場面があっても、前向きに捉えて取り組める人です。実際にそういう明るい方が多い職場です。もちろん、真面目にコツコツ頑張れるタイプの方も活躍できると思います。

私自身、介護の経験もなく、あがり症で人と接するのも不安でした。それでも今は利用者さんとのコミュニケーションがとても楽しいですし、スタッフも同世代の方が多いので一緒に働くのも楽しいです。介護に少しでも興味があれば、ぜひ応募してみてほしいと思います。