発達支援の現場で感じた課題が、大学院進学と福祉キャリアの出発点になった

――もともとは心理学を専攻されていたとのことですが、その分野を選ばれたきっかけを教えてください。
放課後等デイサービスが普及し始めた頃に、アルバイトで現場を経験したことがきっかけです。当時は支援の質にばらつきがあり、障害のある子どもたちの特性を十分に理解しないまま接してしまうケースも多く見られました。支援する側に悪意があるわけではないものの、適切な関わり方が浸透していないために、現場でうまくいかない状況が起きていました。その経験から、専門知識を身につけることで現場に貢献したいと考え、心理学の中でも特に発達支援を専門とする大学院へ進学しました。
――大学院修了後は、どのようなキャリアを歩まれたのでしょうか。
訪問看護や訪問介護を手がける会社に入社し、新規事業として立ち上がった放課後等デイサービスの運営に携わりました。バックオフィス業務と現場での指導を並行して担当しながら、制度設計や運営フローの整備にも関わっていました。また、旅行業務取扱管理者の資格を取得し、バリアフリー旅行の企画といった新たな取り組みにも参画していました。
――その後、MSCへ転職された理由を教えてください。
前職は専門職中心の組織で、倫理観や使命感を重視する文化がありました。福祉の仕事として非常に重要な価値観だと感じる一方で、事業として継続的に成長していくためには、経営視点との両立も必要ではないかと考えるようになりました。そうした中で出会ったのがMSCです。社長が金融業界出身という点も印象的で、福祉を経営の観点から伸ばしていこうとしている会社だと感じました。
また、選考を通じて、新規事業や業務改善に関するこれまでの経験を高く評価していただき、「会社をさらに大きくしていきたい」という意思も強く伝わってきました。単に既存業務を運営するだけではなく、組織や仕組みを変えていこうとする姿勢に魅力を感じました。MSCのような成長性のある環境であれば、自分自身のキャリアの幅も広げていけると考え、入社を決めました。
仕組みが発展途上であることを、課題ではなく可能性として捉えた

――入社前後の印象の変化について教えてください。
入社後に改めて感じたのは、仕組みが発展途上であるという点です。請求業務が紙ベースで行われていたり、制度理解が業務の前提になっていたりと、デジタル化や業務整備の余地が多く残されていました。ただ、仕組みが整っていない部分があるということは、自分が貢献できる余地が大きいということでもあります。
また、自分の責任範囲に対して主体的に取り組む人が多いことも、入社後すぐに感じました。広いフロアで各自が集中して業務に取り組み、9時から仕事を始め、18時には切り上げる。担当業務をきちんと終わらせるメリハリがあり、前職とは大きく異なる雰囲気でした。その違いも含めて、好印象を持ちました。
――入社後、最初はどのような業務から始まりましたか。
最初は施設のバックオフィス業務として、請求書の作成など月ごとのルーティンを覚えることから始まりました。先輩に付き添っていただきながら、制度の理解と並行して業務を習得しました。
入社して半年ほど経ったタイミングで、看護事業部全体に関わる請求書の電子化システム導入プロジェクトに参画しました。
――入社半年でのプロジェクト参画は、早い段階での抜擢だったと思います。どのような経緯だったのでしょうか。
ITシステムに関する知見がありそうだという点に加え、採用段階からグループ全体を俯瞰できる人材として期待していただいていたのだと思います。MSCでは1人の利用者に対して看護や薬局など複数の事業部が関わっており、請求業務も事業部をまたいで発生します。当初は、薬局がどのような請求書を出しているのかも十分に把握できていない状態でした。そのため、プロジェクトに追いつくことは容易ではありませんでした。ただ、自分自身の業務効率化にもつながる取り組みだったため、やりがいを持って進めることができました。
プロジェクトは昨年末に完了し、現場の看護師からも業務が楽になったという声をいただきました。苦労する場面もありましたが、入社半年の時点で全社に関わるプロジェクトに参加できたことは、大きな経験になりました。
入社1年で医事課責任者へ。裁量を持つ立場になり、経営視点の必要性を実感

――入社1年で看護事業部医事課の責任者になられたとのことですが、経緯を教えてください。
入社直後からAIやRPA、社内グループウェアの活用について改善提案を出し続けてきたことが、評価につながったのだと考えています。具体的には、手作業で1件ずつ確認していた看護師の記録チェックをRPAで自動化する提案や、情報を一元管理する仕組みの提案などです。業務改善を推進できる人材として期待していただいたのだと受け止めています。
――責任者になったことで、仕事はどのように変わりましたか。
提案する立場から、医事課の業務改善や組織運営について、自ら判断して進める立場になりました。前職では部下を持った経験がなかったため不安もありましたが、自分の判断で組織をより良い方向に変えていける実感を持てるようになりました。ファイルの整理ひとつを取っても、現場の違和感を拾い上げ、すぐに改善へつなげることができます。
一方で、責任者になってからは、経営陣のビジョンを踏まえて組織をつくっていく必要性を強く意識するようになりました。経営と現場をつなぐ視点が求められていると感じています。
――部下のマネジメントにおいて、意識されていることはありますか。
まず、組織の現状と今後の方向性を共有することから始めています。現状は人員が限られており、紙業務も多いため、一人ひとりが自分の担当業務をこなすだけでは業務が回りにくい部分があります。そのため、新しいメンバーが入ってくるタイミングでは、自身の業務に加えて育成も担うプレイングマネージャー的な役割を期待していることを、丁寧にすり合わせるようにしています。
また、当事者意識を持って動いてもらうことも重視しています。課題があれば一度言葉にしてほしいこと、改善提案を出すこと自体が評価される環境であることは、日頃から伝えるようにしています。自分自身も、課題に対して施策を実行し、結果を見ながら改善するという流れを実際に見せるようにしてきました。うまくいかなければやめる、効果があれば続けるという判断も含めて、PDCAを回していく姿勢を共有しています。
その影響もあってか、以前はルールや前例通りに動くことが中心だったメンバーが、自分の考えや改善提案を出してくれるようになってきました。その変化を目の当たりにできることが、現在の大きなやりがいです。
変化の中で試行錯誤しながら成長できる環境がMSCにはある

――入社から約1年半を振り返って、ご自身が最も成長したと感じる部分はどこですか。
全体を俯瞰して考える力が身についたと感じています。誰がどのような立場で何を考えているのかを踏まえながら、全体最適を意識して動けるようになりました。
入社半年でグループ全社に関わるプロジェクトに携わり、1年で医事課の責任者になった経験が、その土台を作ってくれたと思います。前職では部下を持ったことがなく、意思決定の範囲も限られていたため、この期間での変化は非常に大きかったですし、自分自身も驚いています。
――実際に働く中で、会社の教育や育成に対する姿勢について感じることはありますか。
教育にはしっかり投資していると感じています。eラーニングが職員に開放されており、新卒の育成にもコストをかけています。転職当初は、経営的な観点で成長できる環境を求めてMSCに入りましたが、働いてみると教育への姿勢が自分の考え方と重なる部分も多く、会社との相性の良さを感じています。
――最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
最初から、何でもできる必要はありません。私自身、入社半年で看護事業部全体の請求書電子化プロジェクトに加わりましたが、当初は各事業部の業務を十分に理解できていたわけではありません。それでも、自分で調べて考えをまとめ、関係者とすり合わせながら、一つずつ前に進めてきました。
MSCには、経験の有無にかかわらず、課題を自分ごととして捉え、周囲と協力しながら行動する人に仕事を任せる文化があります。「わからないからやらない」ではなく、「わからないから調べてみる」。そんな姿勢で、一緒に組織をより良くしていける方と働きたいと思っています。