就職の軸は「どこでも通用する自分になれるか」だった

――就職活動では、どのような軸で企業を探していましたか。

大学では食品の衛生について研究していたため、就職活動も事務職か食品系の工場のどちらかで探していました。ただ、職種よりも重視していたのは「どこに行っても通用する自分をつくれる会社かどうか」でした。新卒で入社しても、いつかは転職するかもしれません。そのときに、その会社でしか通用しないスキルではなく、どこでも活かせる力を身につけたいと考えていたからです。

――その軸の中で、MSCと出会ったきっかけは何だったのでしょうか。

大阪市内で土日祝休み、という条件で求職サイトを見ていたときに、たまたまMSCの求人が目に留まりました。当時はそれほど有名な会社ではありませんでしたが、条件がぴったり合っていたため、まずは説明会に参加してみることにしました。

――説明会で印象に残ったことはありますか。

驚いたのは、説明会にいきなり社長が登場したことです。しかも、その日は社長おひとりでした。通常は最終面接で初めてお会いするものだと思っていたので、「いったいどのような会社なのだろう」と一気に興味が湧きました。説明会では「これから飲食事業も展開していきたい」という話を伺い、その瞬間に「ここに入りたい」と感じました。

――その場で「入りたい」と思えたのは、なぜだったのでしょうか。

飲食に携わりたいだけであれば、ほかにも会社はあると思います。それでも惹かれたのは、説明会で初めて目にした経営理念でした。「雇用の創造と人材の成長を支援することで、強い人材づくりを実践し、地域社会に貢献し続ける」という理念のなかの「強い人材づくり」という言葉が、私が探していた「どこでも通用する自分になりたい」という軸と重なったのです。事務職ができて、食にも関われる可能性があり、しかも人材育成に力を入れている。この条件がすべてそろっている会社は珍しく、そこが決め手になりました。内定は食品系を含めて3社からいただいていましたが、迷うことなくMSCを選びました。

社長との距離の近さ。上下関係を感じない、風通しの良い職場

――入社前のイメージと、働いてみて感じたギャップはありましたか。

最も大きかったのは、社長との距離の近さです。説明会のときは緊張して、距離のある存在だと思い込んでいました。ところが入社してみると、とてもフランクに接してくださいます。来客の受付案内で社長とすれ違う際には、毎回のように他愛もない話を振ってくださり、あるときは「何か面白い話をして」と求められたこともありました。何度か応じているうちに、すれ違うたびに振られるようになったほどです。

上司も同じで、仕事以外のことまで気軽に声をかけてくれます。業務でつまずいているときには、ふとした一言に何度も勇気づけられました。気にかけてもらえているという安心感があり、上下関係に窮屈さを感じることがありません。

――入社後の研修で、印象に残っている学びを教えてください。

特に印象に残っているのは、社会人としてのマナーを非常に大切にしていることです。行動指針には「当事者意識を持つ」「常に相手の立場になって考える」といった、一見すると当たり前に思える内容が並んでいます。最初は「これは普通のことではないか」と感じました。しかし実際に働いてみると、当たり前に見えることほど難しく、これを完璧に体現できれば一人前の社会人になれると考えるようになりました。

「誰かがやる」から「まず自分が動く」へ。育っていった当事者意識

――医療事務として、どのような業務を担当しているのですか。

主な業務は、看護師の訪問対応に対する国への請求、利用者さんへの請求、医師やご家族への看護報告書の作成・郵送、看護記録のチェックなどです。コンサルティング先の施設を担当する場合は、看護師の給与計算や労働契約書の送付なども行います。請求業務は一つのミスがそのまま会社の売上に影響するため、責任の重さは常に意識しています。医療や介護の知識がないまま入社しましたが、先輩と一緒に業務を進めながら学べたため、未経験でも不安なく取り組めました。

――看護師との関わりで、印象に残っている気づきはありますか。

看護師の方々とのやり取りは、訪問先と本社という関係上、普段は対面ではなく電話など声だけのやり取りが中心です。顔が見えない分、こちらの一言で信頼してもらえるか、逆に不安を与えてしまうかが変わります。当初は「看護師」という専門職に距離を感じていましたが、上司から「看護師さんも同じ人間なのだから、まず話しかけてみればいい」と声をかけられ、ちょっとした世間話から関係づくりを始めました。

同時に難しさを感じたのが、「常に相手の立場になって考える」という行動指針です。質問を受けた際、自分では説明したつもりでも、言葉だけでは相手に意図が届いていないことがありました。先輩から「こう伝えたほうが看護師さんにもわかりやすいのではないか」と助言され、それからは相手にどう伝われば届くのかを考えながら話すようになりました。

――入社後、ご自身が成長したと感じる部分を教えてください。

成長したと感じるのは、当事者意識です。以前はトラブルが起きても「誰かが解決するだろう」と受け身になりがちでしたが、今はまず自分が動こうと考えるようになりました。きっかけは、2年目に後輩ができたことです。後輩が看護師さんから繰り返し質問を受けて対応に苦慮していたとき、自分から電話を代わったこともありました。担当施設はそれぞれ異なりますが、事務職はチームとして動いているため、「担当でなくても助けていい」という意識が自然と根づいてきました。

――仕事への向き合い方に変化はありましたか。

入社前は、事務職を「担当範囲のタスクを着実にこなしていれば評価される仕事」だと捉えていました。しかし半年に1回の評価を重ねるうちに、指示されたことをこなすだけでは成長も評価も得られないと痛感しました。自ら考えて動き、積極的に発信することが求められると理解してから、仕事への向き合い方が変わりました。やりがいを感じるのは、看護師さんに感謝してもらえた瞬間です。また、請求業務はそのまま会社の売上につながるため、数字を見て「今月もこれだけ積み上げた」と実感できます。一つのミスで売上が下がることもあり責任は重いものの、成果が数字として見える点に達成感があります。

「やりたい」と声を上げれば任せてもらえる。手を挙げてTikTok Shopの立ち上げへ

――現在は、新規事業部にも携わっていると伺っています。どのような部署なのでしょうか。

昨年新規事業部が立ち上がったタイミングで、自分から手を挙げて参加し、現在も所属しています。やりたい事業があれば意見してかまいませんし、むしろ意見することが求められる部署です。動き方も、決まった頻度で進めるというよりは、やることが決まったらそこに向けて進めていく形です。

――そのなかでD.Mさんは「TikTok Shop」に取り組まれています。どのように始まったのでしょうか。

きっかけは、社長が「こういう知り合いがいる」と持ってきた話です。その説明会のような場に私も同席させてもらい、その流れで「やってみたい」と自ら提案したのがTikTok Shopでした。SNSはこれまで個人ではあまり利用しておらず、自分の顔を出して発信することにも関心はありませんでした。それでも、会社の事業としてこうした挑戦ができるのは貴重ですし、ほかではなかなか経験できないことだと感じたのです。

事業としては、楽天などで商品を販売している事業者の方から商品をお預かりし、それをTikTok Shopで紹介して販売していく、いわば販売代行のような取り組みです。私は演者として出演しています。

――未経験の領域に、どのように取り組み始めたのですか。

TikTokは、「見ることすら経験がない」状態からのスタートでした。まずは「ほかの人がどのように発信しているのか」を調べるところから始め、入社直後に医療事務をゼロから学んだときと同じで、今はまさに知識を蓄えている時期です。準備を始めたのは昨年の12月ごろで、現在も継続して取り組んでいます。

――取り組んでみて、面白さや課題はどこにあると感じますか。

面白さは、試行錯誤の過程そのものにあります。動画の構成を変えると視聴者の反応がどう変わるか、AI音声を使うと反応がどう変化するかなど、一つずつ検証しながら改善していくのが面白いです。一方で、TikTok Shopだけに専念しているわけではないため、ほかの業務が立て込む繁忙期にはどうしても後回しになりがちで、そこをきちんと続けていくことが今の課題です。

――最後に、MSCにはどのような人が合うと思いますか。

変化を楽しめる人だと思います。会社の成長に伴い、環境も業務も大きく変わっていくため、それを楽しめないとついていくのが難しいかもしれません。加えて、さまざまなことに挑戦したいという意欲があり、得た知識を自分のものにして積極的に活用していける人は、大きな強みを発揮できるはずです。