複数事業を一つにつなぐ。グループ経営が生み出す、利用者様への一貫したサポート

――まずは現在の担当領域について伺えますか。大坂代表との役割分担も含めて教えてください。
役員として、経営全般に関わっています。大坂は会計面などの内部的な業務を主に担っているのに対し、私の方はどちらかというと対外的な仕事が多く、業界内のネットワークや人脈を活かした取引先の開拓、外部との折衝がメインです。また、新規施設の用地開拓も担っており、土地の仕入れからオーナーへの提案、建築会社との交渉まで一連を担当しています。各事業の統括については、人事・総務を除くほぼ全領域を私が管理しており、各事業部のマネージャーから私への稟議という形で、意思決定の権限が集中しています。
――現在、訪問看護・訪問介護・高齢者施設・デイサービス・保険薬局・入居紹介の6事業を展開されています。それぞれの事業がどのような役割を担っているか、改めてご説明いただけますか。
私たちの業界は、サービスの単価は行政が定め、施設の定員という形で提供できる「数」にも上限があり、稼働率という「頻度」にも限界があります。つまり、一つの事業だけでは収益の伸びしろが見えやすい構造ともいえます。だからこそ、同じ規模の施設からどれだけ収益を生み出せるかを考えたときに、介護・看護・薬局といった周辺事業を広げ、これまで外部に委託していた機能を自社で担えるようにしてきました。それが、グループとして事業を多角化してきた本質的な理由です。
その上で、全ての事業は、「利用者様の生活をいかに包括的に支えるか」という一点につながっていると思っています。訪問看護や訪問介護は自宅での生活を支え、施設やデイサービスは日々の居場所と活動の場を提供し、薬局は医療面でのサポートを担います。それぞれが独立して機能するのではなく、一人の利用者様を中心に各事業が連携して動くことで、より厚みのあるサービスを届けられる体制を目指してきました。
――利用者様にとって、各事業を一元的に提供していることによるメリットはどのようなものがあるとお考えですか。
別々の法人がそれぞれにサービスを提供する場合、各社の方針やスタンスの違いから、連携がうまくいかなかったり、利用者様へのサービスにばらつきが生じてしまうことがあります。自社グループで完結していれば、各法人の都合に縛られることなく、利用者様にとって一貫性のあるサービスを届けることができます。各サービスで担当が変わっても情報が引き継がれ、対応にずれが生じにくい点は、利用者様にとって大きな安心につながると思っています。
――社員にとってのメリットはいかがでしょうか。
各事業のリソースを自社内に持っているので、知ろうと思えばいくらでも深く知ることができます。他の事業所の状況を理解するのも、外部の会社のように壁越しに見るのではなく、いわば内側から見にいけるということです。相手の立場に立った状況把握や考え方は、交渉や調整の力にそのまま直結しますから、こうした経験の積み重ねが、後々事業全体を見渡す力につながっていくと思っています。
現状把握はスタートライン。総合職が歩むキャリアパスと、求められる視点
――MSCの総合職は、入社後どのような流れでキャリアがスタートしますか。
入社後約半年間は、様々な部署を実際に経験するローテーション期間があります。現場を横断して見ることで、グループ全体の事業の流れを肌で感じながら、自分の適性や興味のある領域を探していく時間です。その後、経験や希望を踏まえて配属が決まり、営業職または事務職としての本格的なキャリアが始まります。
その中でも、特に力を入れたいのが入居営業です。これは施設への入居希望者を獲得するために、病院やケアマネージャー(利用者様の介護計画を立てる専門職)と折衝し、紹介につなげる仕事です。数字を読む力と対外的な交渉力が求められますが、事業の本質を直接的に学べる仕事でもあります。
――その後、どのようなキャリアの歩み方が想定されますか。
まずは配属されたポジションの現状を把握し、実務として運営管理ができるようになること。さらに、自社内の他事業や取引先の状況も把握していくことが求められます。そこまで来てはじめて、アイデアを出して事業に働きかけられるフェーズに入れると思っています。一つの目安として、4、5年後にそのステージへ入ってきてほしいと考えています。
ただ、到達までの期間は個人の能力によって異なります。成長が早い人には早く上がってきてほしいですし、年数よりもできることを積み重ねながら次のステージへ進む、という考え方です。
また、今は一つの事業部に配属を固定する形が中心ですが、今後は、特定の事業部に縛られないニュートラルな立場で総合職を置き、各事業の繁忙期や状況に応じて複数の現場を経験できる仕組みも取り入れていく予定です。一つの事業だけを見ていては気づけない他事業との連携やつながりを、若いうちから肌で感じられるようになりますし、それが将来、事業全体を動かす立場に立ったときの強みになっていくと思っています。
――総合職と専門職では、求められる視点にどのような違いがあるとお考えですか。
専門職の方々には、資格を持つ領域でサービスの質を追求していただくことが第一です。一方、総合職には経営層に上がってきてほしいと考えています。私たちは6つの事業を自社で展開し、施設運営を中心に周辺事業を連携させることで収益構造を強くしてきました。この構造を本当の意味で機能させるには、各事業を横断して動かせる人材が経営の中枢にいることが欠かせません。そのために総合職に求めているのは、まず各事業の現状を正確に把握できる力です。
ただ、各事業の現状を把握することは「重要か」と問われれば「できることが前提」というレベルの話だと思っています。現状把握はあくまでスタートラインであり、そこに立った上で何を動かせるか、どんなアイデアを出せるか、何を生み出せるかが問われます。求められるのは、現状把握の先にある価値提供の部分です。また、専門職への理解についても、資格が必要な実務は行わないものの、現場のスタッフが抱えるストレスや悩みを正しく理解し、「この人になら話せる」と思われるだけの知識は必要だと考えています。
上が詰まっていないから、挑戦できる。成長途上の組織でキャリアを切り拓く

――マネジメントや育成の場面で、特に意識されていることはありますか。
私が常に意識しているのは、「1手先、2手先をどれだけイメージできるか」という点です。何かに取り組む際にはリスクが必ず伴いますが、最大の成果ばかりをイメージして、リスクへの想像が足りないケースが若いメンバーには多くあります。指導する際には、アイデアや提案に対して「その1手先はどうなるか、2手先はどうなるか」を慎重に考えてもらうようにしています。思いついたままの段階で持ってくるのではなく、リスクまで含めて想像した上で動ける人材に育てていきたいと思っています。
――MSCで総合職として働くことで、どのようなスキルが身につくとお考えですか。
私たちの事業は、薬局を除けば「物」を扱う仕事がありません。訪問看護も訪問介護もデイサービスも、全て「人」で成り立っています。そのため、相手の立場や状況を正確に読み取りながら関係を築いていく力、いわゆる対人マネジメントの力は、日々の業務を通じて着実に身についていくと思います。利用者様への対応でも、スタッフとのコミュニケーションでも、求められる本質は同じです。
MSCならではの点を挙げると、高い専門性を持つ職種の方々と日常的に連携しながら仕事を進める経験が積めることです。看護師や介護士といった専門職の方々は、それぞれの資格と技術に裏打ちされた誇りを持って働いています。そうした方々から信頼を得て、チームとして同じ方向を向いて動いてもらえるようにする力は、簡単には身につかない分だけ価値が高く、業界を問わず求められるスキルだと思っています。
――最後に、この記事を読んでいる若手・総合職志望の方へ、MSCの魅力をお伝えいただけますか。
まだまだ成長途上の会社ですので、必要な人材もポジションも、これからどんどん増えていきます。既存の大きな会社とは違い、上のポジションが埋まっていて昇進の機会が限られる、ということがありません。向上心を持って挑戦したい人にとっては、非常に良い環境だと思っています。
既存事業の延長だけではなく、まったく新しい領域へのゼロからのチャレンジも視野に入れていますので、新規事業づくりに関わりたいという方にも、機会を提供できる可能性があります。成長を体験しながら自分のキャリアを切り拓いていきたい、そういった意志を持った方にぜひ来ていただきたいと思っています。