「介護の仕事に興味はあるけど、未経験でも本当に大丈夫?」「入社してすぐに役立てるスキルって何があるの?」――介護業界への転職を考えている多くの方が、このような不安や疑問を抱えているのではないでしょうか。
介護職は資格や経験がなくても始められる職種のひとつです。しかし、現場に入ってからスムーズにスタートを切るためには、入社1か月という「最初の壁」をどう乗り越えるかが鍵になります。この記事では、未経験から介護職デビューした方が入社1か月間で意識すべきポイントや、身につけておきたいスキルを具体的に解説します。
介護業界の現状と未経験者への期待

厚生労働省の推計によると、2040年度には約272万人の介護職員が必要になるとされており、2022年度の約215万人から約57万人もの増員が求められています。少子高齢化が急速に進む日本において、介護の担い手不足は社会全体の喫緊の課題です。
こうした背景から、介護業界では未経験者・無資格者の受け入れに積極的な事業所が増えています。入職後に資格取得を支援する制度を設けているところも多く、「まずは現場で経験を積みながらスキルを身につけていく」という育成体制が整ってきています。
未経験だからこそ、「先入観がない」「素直に指導を吸収できる」という強みがあります。最初の1か月で基礎をしっかりと固めることが、その後のキャリアを大きく左右します。
参照:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(閲覧日:2025年12月8日) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41379.html
入社1か月目に意識すべき3つの心がけ

1. 「報告・連絡・相談」を徹底する
介護の現場では、利用者の体調変化や転倒リスクなど、一つの判断ミスが大きな事故につながる可能性があります。未経験のうちは「これくらい大丈夫かな」と自己判断せず、小さなことでも必ず先輩スタッフや上司に報告・連絡・相談することが大切です。
「何かいつもと違う」と感じたときは、すぐに声をあげる習慣をつけましょう。この「ほうれんそう」の積み重ねが、チーム全体の安全を守ることにつながります。
2. 利用者の名前と特徴を覚える
入社してすぐに取り組めることのひとつが、担当する利用者の方々の名前や生活リズム、好みなどを覚えることです。名前を呼んで声をかけるだけで、利用者の方との信頼関係は大きく変わります。
利用者一人ひとりをよく観察し、「今日はいつもより食欲がなさそうだ」「表情が明るくなった」といった変化に気づく目を養うことが、介護の質を高める第一歩です。
3. 疑問はその日のうちに解消する
わからないことをそのままにしておくのは、自分にとっても利用者にとっても危険です。業務終了前に「今日感じた疑問」をメモしておき、先輩に確認する習慣をつけましょう。
多くの事業所では、新入職員向けにOJT(職場内訓練)や指導担当者(プリセプター)が設けられています。サポート体制を積極的に活用することで、成長のスピードが大きく変わります。
入社1か月で身につけたい基本スキル4選
スキル①:移乗・移動の介助技術
車いすへの移乗や歩行介助は、介護現場で最も頻繁に行う身体介護のひとつです。正しいボディメカニクス(身体の動かし方の原理)を意識することで、利用者への負担を最小限に抑えながら、介助者自身の腰痛予防にもつながります。
最初は先輩の動きをよく見てマネをすることから始め、徐々に自分でできる動作を増やしていきましょう。急ぎたい気持ちはわかりますが、焦りは事故のもとです。
スキル②:食事介助・水分管理の基本
食事介助では、利用者の姿勢・食べるペース・むせの有無などに細かく注意を払う必要があります。誤嚥(食べ物が気管に入ること)は肺炎につながる深刻なリスクであるため、一口の量や食べるスピードを観察することが重要です。
また、高齢者は脱水になりやすい傾向があります。食事のタイミングだけでなく、こまめな水分補給を声かけとともにうながすことも大切な役割です。
スキル③:排泄介助と尊厳への配慮
排泄介助は、未経験者が最も戸惑いやすい業務のひとつですが、利用者の尊厳を守ることを何より大切にしましょう。「プライバシーへの配慮」「声かけをしてから行動する」「できるだけ本人の力を活かす」という3点を意識することが基本です。
慣れるまでは先輩と一緒に対応し、手順や声かけの仕方を丁寧に学んでいきましょう。
スキル④:記録(介護日誌・申し送り)の書き方
介護の現場では、利用者の状態や行ったケアを記録することが義務づけられています。記録は次の担当者へ情報を引き継ぐ重要なツールであり、「5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)」を意識した簡潔で正確な記述が求められます。
最初は記録に時間がかかっても問題ありません。先輩の記録を参考にしながら、少しずつ自分のスタイルをつくっていきましょう。
資格取得でスキルをさらに深める

未経験で介護職に就いた方が最初に目指すべき資格として挙げられるのが、「介護職員初任者研修」です。
介護職員初任者研修は、厚生労働省が定めるカリキュラムに基づいて実施される130時間の研修で、介護の基礎知識から身体介護の実技まで体系的に学べます。資格を取得することで、訪問介護での身体介護が可能になるほか、給与面でも無資格者との差が生まれやすくなります。
多くの介護事業所では、資格取得にかかる費用を法人が負担する支援制度や、勤務時間中に研修を受けられる仕組みを整えています。入社後に資格取得を検討している方は、職場の制度をぜひ確認してみてください。
参照:厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について」(閲覧日:2025年12月8日) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/shakai-kaigo-fukushi4.html
先輩スタッフとの関係づくりも大切なスキル

介護の現場はチームで動いています。入社1か月目のうちに、先輩スタッフやリーダーとの信頼関係を築くことは、業務を円滑に進めるうえで非常に重要です。
挨拶を欠かさない、感謝の気持ちを言葉で伝える、指導を素直に受け入れるといった、シンプルなコミュニケーションが職場の雰囲気をつくります。また、「自分はどんなことが不安で、何を学びたいのか」を先輩に伝えることで、より的確なサポートを受けやすくなります。
介護現場では、スタッフ同士が助け合う文化が根付いているところが多くあります。困ったときは一人で抱え込まず、チームの力を借りることを恐れないでください。
参照:厚生労働省「介護人材確保に向けた取組について」(閲覧日:2025年12月8日) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02977.html
まとめ

理学療法士の仕事は、人の人生に深く関わる仕事です。
未経験から介護職をスタートするうえで、入社1か月目は「基礎をつくる」最も重要な時期です。
報告・連絡・相談を習慣化する、利用者のことを知ろうとする姿勢を持つ、基本的な介助技術を先輩から丁寧に学ぶ――こうした一つひとつの積み重ねが、確かなスキルへと育っていきます。介護の現場に正解は一つではありません。利用者の方との関わりの中で、あなた自身の「介護のかたち」を少しずつ見つけていってください。
MSCでは未経験の方も安心して働けるよう、丁寧なサポート体制を整えています。介護職に興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。