子育て期の方が、仕事を続けながら「介護職」を選ぶことには、特別な価値があります。高齢化が進む日本では介護分野への需要が高く、安定性とやりがいの両面で魅力のある職種です。一方で、「子育て」と「勤務時間・働き方の調整」をどう両立させるかは大きな悩みどころでもあります。
本記事では、子育てと両立しやすい介護職の働き方に焦点を当て、無理なく続けられる職場を選ぶためのポイントをご紹介します。
なぜ介護職が子育て期の働き手に向いているのか

まずは、子育て期の方にとって介護職が「選択肢として魅力的である理由」を整理していきます。
社会的ニーズが高く、雇用機会が豊富
日本の高齢化率は上昇を続けており、介護人材の確保・定着は国としての重要課題です。例えば、令和5年度「介護労働実態調査」では、介護分野における人材確保・育成、働く環境の改善が目的とされており、介護事業所・介護労働者双方の実態把握がなされています。
このように需要のある分野であることは、「子育て期だから仕事が見つからない」などの不安を軽減しやすいと言えます。
社会貢献感/やりがいがある
介護職は、利用者の“暮らし”を支える仕事です。「誰かの役に立っている」「毎日顔を合わせてありがとうと言われる」という経験が子育て期の働き手にとっても大きなモチベーションになります。子どもを育てる立場でも「支える・育てる」という視点が働き方とリンクしやすいという点も興味深いです。
比較的柔軟な働き方の可能性
介護事業所によっては、パート・時短勤務・シフト制など多様な働き方を提供しており、子育てとの両立を視野に入れた環境が整いつつあります。実際、国としても「仕事と家庭の両立(育児・介護)」を支援する制度整備を進めており、たとえば「職場における子育て支援」についての施策もあります。
以上のように、「子育て期×介護職」が一定の相性を持つ背景があるため、次章以降で「無理なく続ける職場選び」のポイントにフォーカスしていきます。
参照:公益財団法人介護労働安定センター「令和5年度「介護労働実態調査」結果の概要について」(閲覧日:2025年11月13日)
https://www.roken.or.jp/wp/wp-content/uploads/2024/07/kaigoroudoujittaichosa.pdf
参照:厚生労働省「職場における子育て支援」(閲覧日:2025年11月13日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/index.html
子育てと介護職を両立するために知っておくべき働き方の「仕組み」

子育てとの両立を考える上で、まずは働き方の仕組みや制度をおさえておくことが大切です。
制度・法律の理解
例えば、育児・介護休業法の改正により、仕事と育児・介護を両立できる環境整備が義務化されつつあります。また、「仕事と介護の両立支援」には、企業・事業所が両立支援のために整えるべき仕組みやプランのポイントが記載されています。子育て期の介護職として働くなら、こうした制度が職場で「形式」だけでなく「運用」されているかを見ることが、安心して働くためのポイントです。
多様な働き方・勤務形態の理解
特に子育て中の場合、以下のような働き方が考えられます。
- 時短勤務/半日勤務
- 早番・遅番を避けられる勤務体制や、希望に応じて選べるシフト制度
- パートタイム・アルバイトからスタートし、ライフステージに応じて増減可能
- 在宅支援・訪問介護など、施設勤務とは異なるスタイル
こうした働き方が選べるかどうか、職場を選ぶ際に条件として挙げておくとよいでしょう。
職場環境・フォロー体制の重要性
働き方の制度だけでなく、実際に「子どもの急な発熱」「学校行事」「保育園の送り迎え」などに対して、職場が理解・配慮してくれるかも大きなカギです。例えば、「子の看護休暇」「短時間勤務制度」などが制度としてあるものの、実際の運用や雰囲気が大切です。
介護職では夜勤や早出・残業がある場合もあるため、勤務時間に融通が利くか、シフトの固定化が可能か、シフトの希望提出・変更がしやすいか等の「働きやすさ」の観点も押さえておきましょう。
参照:厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」(閲覧日:2025年11月13日)
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001259367.pdf
参照:厚生労働省「仕事と介護の両立支援 ~両立に向けての具体的ツール~」(閲覧日:2025年11月13日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/model.html
無理なく続ける職場選びの3つのポイント

では、実際に「子育て期に無理なく続けられる」職場を選ぶために、具体的なチェックポイントを3つ紹介します。
勤務時間・シフトの柔軟性
子育て期は時間の制約が大きいため、以下を確認しておきましょう。
- 日勤のみや夜勤なしなどの選択肢がある
- 固定シフト・希望シフト制が利用可能
- 短時間勤務や半日勤務に対応
- 急な早退・休みの対応ルールが明確
シフトの“融通の利きやすさ”は、働き続けるうえで最重要ポイントです。
福利厚生・支援制度の充実
制度が形だけでなく「実際に使える」職場かを見極めましょう。
- 短時間勤務や子の看護休暇が利用されている実績
- 育児両立のガイドラインや研修の有無
- 「くるみん」認定など、子育て支援に積極的か
- 子育て中の職員の在籍・復帰実績
制度・実績の両面から、安心して働けるか判断できます。
職場環境・人間関係・サポート体制
働きやすさは「職場の雰囲気」に大きく左右されます。
- 育児中の職員が多く、相談しやすい
- 上司の理解があり、シフト相談がしやすい
- 離職率・定着率が安定している
- 急な休みにも対応できるフォロー体制がある
制度だけでなく、「声をかけやすい」「助け合える」雰囲気のある職場が理想です。
働きながら子育て×介護職を続けるための工夫

働きながら子育てを両立するためには、適した環境を選ぶことに加え、自分自身で工夫することも効果的です。以下、具体的な工夫をいくつかご紹介します。
ライフステージに合わせた調整
子どもの成長に合わせて働き方を柔軟に変えることで負担を軽減できます。
- 幼児期は短時間勤務中心に
- 小学生以降は勤務時間を徐々に増やす
- 行事・体調不良を想定したスケジュール調整
- 家族とも役割分担を共有
自分に合ったペースで働くことが、無理なく続けるためのポイントです。
時間と体調管理の工夫
両立には「自分を消耗させすぎない」ことが大切。
- 通勤・スキマ時間を軽い学びや休息に使う
- 子ども就寝後は休息・リフレッシュ優先
- スケジュール管理ツールの活用
- 体調を崩さないための小さな習慣づくり
少しの工夫で、毎日の疲れを軽減できます。
仲間やネットワークの活用
同じ立場の仲間から得られる情報は、大きな支えになります。
- 職場の育児中スタッフと情報交換
- 地域やオンラインの介護職コミュニティ
- 子育てと両立している事例を参考にする
相談できる相手がいるだけで、働きやすさが向上します。
子育てと両立できる介護職選びの「具体的なチェックリスト」

求人票や面接前に次のポイントを確認しておくと安心です。
- 日勤・夜勤の有無、残業の実態
- 時短・パートなど柔軟な勤務が可能か
- 子育て支援制度(看護休暇・短時間勤務など)の利用しやすさ
- 子育て中の職員が在籍しているか
- 育休復帰後の働き方・キャリア支援
- 離職率・シフト変更のしやすさ
- 通勤時間や家との距離
- 見学時の雰囲気(相談しやすい雰囲気か)
自分の生活スタイルと照らし合わせながら判断することで、ミスマッチを防げます。
まとめ:子育て期だからこそ選びたい介護職の働き方

子育てと介護職の両立は決して簡単ではありませんが、働き方次第で無理なく続けることができます。
特に重要なのは、
- 柔軟な勤務時間・シフト
- 子育て支援制度の充実度
- 相談しやすい職場の雰囲気・文化
の3つです。
子どもの成長段階は変化するため、その時々の状況に合わせて働き方を調整できる環境を選ぶことが大切です。
また、同じように子育てをしながら働く仲間の存在は、大きな安心にもつながります。自分の生活リズムや家庭の状況と照らし合わせながら、「無理なく、長く、安心して働ける介護職」を選んでいきましょう。