介護福祉士取得でキャリアアップするには?

「介護福祉士の資格を取ったら、どんなキャリアアップができるの?」「現場での経験をもっと活かしたい」――介護の仕事に携わる多くの方が、このような疑問や希望をお持ちではないでしょうか。

介護福祉士は、介護業界で唯一の国家資格であり、現場の中核を担う存在です。資格取得はゴールではなく、キャリアアップのスタート地点。この記事では、介護福祉士取得によるキャリアアップの具体的な道筋や、現場で活躍するためのポイント、制度や支援情報まで詳しく解説します。

介護福祉士とは?役割と社会的期待

介護福祉士とは?役割と社会的期待

介護福祉士は、介護分野で唯一の国家資格です。厚生労働省も「介護の専門職」として位置づけており、現場のリーダーや専門職、多職種連携の中核として大きな期待が寄せられています。

介護福祉士には、利用者の生活支援や身体介護だけでなく、他職種との連携、後輩指導、家族への助言など、幅広い役割が求められます。社会の高齢化が進む中、介護福祉士の専門性とリーダーシップはますます重要になっています。

参考:厚生労働省「介護福祉士の概要について」(2025年7月1日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/shakai-kaigo-fukushi4.html

介護福祉士取得までのキャリアパス

介護福祉士取得までのキャリアパス

介護福祉士の資格取得までのキャリアパスを見ていきましょう。

資格取得への主なルート

介護福祉士を目指すには、主に「実務経験ルート」と「養成校ルート」があります。

実務経験ルート
介護職員初任者研修や実務者研修を修了後、介護現場で3年以上(従事日数540日以上)の実務経験を積み、国家試験に合格する方法です。
働きながら資格取得を目指す方の多くが、このルートを選択しています。

養成校ルート
福祉系の専門学校や大学(指定養成施設)で必要なカリキュラムを修了し、国家試験を受験する方法です。
国家試験は年1回実施されており、合格率は約70%となっています。受験資格や試験内容は厚生労働省の公式サイトで詳細に案内されています。

※ほか、福祉系高校などを卒業し国家試験を受験する「福祉系高校ルート」、インドネシア、フィリピン、ベトナムからの介護福祉士候補者が、日本の介護福祉士国家試験を受験する「経済連携協定(EPA)ルート」もあります。

介護福祉士取得後のキャリアアップモデル

介護福祉士取得後のキャリアアップモデル

次に、介護福祉士取得後のキャリアアップモデルをいくつかご紹介します。

1. 現場リーダー・主任・管理職を目指す

介護福祉士資格を持つことで、フロアリーダーやユニットリーダー、主任、施設長など、現場の中核を担うポジションへの昇進が目指せます。管理職になるには、マネジメントスキルやリーダーシップ研修の受講が推奨されており、現場経験を活かして組織運営や人材育成にも携われます。

2. サービス提供責任者・生活相談員

訪問介護事業所では、サービス提供責任者の配置が義務付けられており、介護福祉士はその要件を満たします。また、生活相談員として施設利用者や家族の相談対応、ケアマネジャーや医療職との連携を担う道も広がります。

3. ケアマネージャー(介護支援専門員)へのステップアップ

介護福祉士として5年以上の実務経験を積むと、ケアマネージャー(介護支援専門員)試験の受験資格が得られます。ケアマネージャーは、利用者のケアプラン作成や多職種連携の中心的な役割を担い、より広い視野で介護現場を支える存在です。

4. 専門分野のスペシャリスト

介護福祉士資格取得後は、認知症ケア、リハビリ、レクリエーション、在宅介護などの専門性を高める研修や認定資格にチャレンジできます。例えば「認定介護福祉士」や「認知症ケア専門士」など、さらなる専門性を身につけることで、現場での信頼や活躍の場が広がります。

5. 看護師・他職種へのキャリアチェンジ

介護福祉士としての経験を活かし、看護師や社会福祉士、保育士など他の医療福祉系資格へのステップアップも可能です。ダブルライセンスを取得することで、より多様な現場や役割に挑戦できます。

6. 独立・起業

介護福祉士資格を活かして、訪問介護事業所の開業や法人設立にチャレンジする人も増えています。独立には経営知識や資金調達、行政手続きなどの準備が必要ですが、現場経験を活かした新しいサービスの創出も期待されています。

キャリアアップのための学びとネットワーク

キャリアアップのための学びとネットワーク

介護福祉士がキャリアアップをするためには、学びとともにネットワークも欠かせない要素です。

継続的な学びの重要性

介護現場は日々進化しています。日本介護福祉士会や各都道府県の福祉人材センターでは、キャリアアップ研修やリーダー研修、eラーニングなど多様な学びの機会が提供されています。また、資格取得や研修受講に対する助成金制度も活用できます。

ネットワーキングの力

現場での実務経験を積むだけでなく、他施設や多職種との交流、学会や研修会への参加もキャリアアップに欠かせません。情報交換や相談ができる仲間づくりは、長く働き続けるための大きな支えになります。

まとめ

まとめ

介護福祉士資格の取得は、介護現場でのプロフェッショナルとしての第一歩です。その後も現場リーダー、サービス提供責任者、ケアマネージャー、専門職、管理職、さらには独立や他職種への挑戦など、多様なキャリアパスが広がっています。継続的な学びとネットワークづくり、制度や支援情報の活用を通じて、自分らしいキャリアアップを実現しましょう。

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