スキマ時間にできる資格取得・学習法まとめ｜医療・介護従事者のためのスキルアップ術

2025 8/04

2025年7月28日

「資格を取ってキャリアアップしたいけど、仕事が忙しくて勉強時間が取れない」「夜勤があるから規則的な学習が難しい」――医療・介護現場で働く多くの方が、こうした悩みを抱えているのではないでしょうか。
しかし、スキマ時間を有効活用すれば、忙しい現場で働きながらでも資格取得を目指したり、学びを深めることができます。この記事では、医療・介護従事者におすすめの資格から学習方法、具体的なスキマ時間活用術まで詳しく解説します。

学び続けることの重要性

医療や介護の現場は、シフト制や夜勤、突発的な業務などで忙しく、まとまった勉強時間の確保が難しいことが多いです。しかし、1日10分の積み重ねでも、半年・1年後には大きな差となります。

厚生労働省も、働きながら学び続けることの重要性を発信しています。また、経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」でも、医療福祉業界の講座が提供されています。

参考：厚生労働省│職場における学び・学び直し促進ガイドライン特設サイト（2025年7月1日）
https://manabi-naoshi.mhlw.go.jp/

参考：経済産業省│リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業（2025年7月1日）
https://careerup.reskilling.go.jp/

医療・介護従事者におすすめの資格・学習ジャンル

介護職向け

介護職員初任者研修（旧ヘルパー2級）
介護の基礎から学べる入門資格。働きながら通信講座やeラーニングで取得可能。

実務者研修
介護福祉士受験の必須資格。動画教材や分割学習が充実。

介護福祉士
国家資格。スキマ時間で過去問アプリや参考書を活用して対策。

ケアマネジャー（介護支援専門員）
受験には実務経験が必要だが、合格者の多くがスキマ時間を使って計画的に勉強。

看護職向け

認定看護師・専門看護師
分野ごとの専門性を高める資格。日本看護協会のeラーニングやオンライン講座が利用可能。

医療安全管理者
医療現場の安全対策に役立つ。短時間で学べる教材やセミナーも多数。

その他医療・福祉系

医療事務
通信教育やスマホ学習で取得しやすい人気資格。

福祉住環境コーディネーター
高齢者や障がい者の住環境整備に役立つ。公式テキストや過去問アプリが充実。

メンタルヘルスマネジメント検定
職場のストレス対策やセルフケアにも役立つ。

スキマ時間学習を成功させる3つのコツ

働きながら学び続けることは、安易なことではありません。スキマ時間を使って上手に学習を継続するためのコツをご紹介します。

1. 学習目標を細分化する

大きな目標を小さなステップに分割することで、スキマ時間でも確実に進歩を実感できます。例えば「ケアマネ試験合格」という目標を「今週は介護保険制度の基礎を理解する」「今日は15分で過去問を5問解く」といった具体的な小目標に分けましょう。1日15分からでも『習慣作り』をすることが重要です。

2. デジタルツールを活用する

スマートフォンやタブレットは、スキマ時間学習の強い味方です。通勤中や休憩時間に、いつでもどこでも学習できる環境を整えましょう。例えば、以下のようなことが考えられます。
・スマホアプリでの学習：過去問アプリや単語帳アプリを活用
・オンライン講座の活用：動画講座を倍速再生で効率的に視聴
・音声学習の効果的な使い方：家事をしながら、歩きながらの「ながら学習」

3. 職場での実践と学習を連動させる

現場での疑問をメモして後で調べる習慣をつけることで、実践的な知識が身につきます。同僚との情報交換も貴重な学習機会です。経験と理論を結びつけることで、より深い理解が得られます。

シーン別・スキマ時間活用術

どのようなスキマ時間を学習にあてることができるでしょうか。具体例をあげながらご紹介します。

電車・バスなどでの通勤時間

通勤時間は最も安定して確保できるスキマ時間です。電車やバスでの移動中は、以下のような学習法が効果的です。満員電車で本を開けない場合は、音声学習がおすすめです。

想定時間：往復30分〜1時間程度

学習例
・スマホアプリでの問題演習：過去問アプリなどでの反復学習
・音声講座の聞き流し：イヤホンで講義音声を聞きながら復習
・電子書籍での読書：テキストの読み込みや要点整理

休憩時間

職場での休憩時間も有効活用できます。食事をとった後は学習にあてるなど実践してみましょう。集中力が途切れがちな時間帯なので、軽い復習程度に留めるのがコツです。

想定時間：1日30分〜60分程度

学習例
・単語カードでの暗記：専門用語や重要ポイントの確認
・短時間集中の問題演習：5〜10問程度の問題を解く
・前日の復習：昨日学んだ内容の振り返り

夜勤の待機時間

夜勤の待機時間は、まとまった学習時間として活用できます。ただし、緊急対応に備えて、すぐに中断できる学習内容を選ぶことが重要です。

想定時間：不規則な30分〜2時間

学習例
・オンライン動画講座：体系的に学習
・過去問題の解答・解説：問題についてじっくり考える
・ノートまとめ：手書きで整理することで記憶を定着

スキマ時間学習におすすめのツール・アプリ

オンライン講座・eラーニング
さまざまなオンライン学習プラットフォームやeラーニングシステムで、医療・介護に関する講座が提供されています。

・医療・介護福祉系eラーニング：医療・介護に特化した学習プログラムを提供
・Udemy：専門分野の動画講座が豊富
・YouTube：無料で質の高い講義動画が視聴可能
・各資格の公式オンライン講座

業務や資格取得に役立つアプリ
医療・看護・介護などの業務や資格取得に役立つアプリは多数提供されています。取得を目指す資格や、目的に合った使いやすいアプリを活用してみてください。

・過去問アプリ：介護福祉士、ケアマネージャーなど、さまざまな資格に特化
・専門用語をまとめた辞典アプリ：医療略語アプリや、医療や介護の用語集アプリなど

効率化ツール
効率的に学習を進めるためには、ツールの活用がおすすめです。

・Studyplus：学習記録と進捗管理ができるプラットフォーム
・Anki：効率的な暗記カード作成できる暗記アプリ

スキマ時間学習を継続するためのモチベーション管理

学習を継続するためには、モチベーションを維持することが大切です。そのためのコツをご紹介しましょう。

SMART目標
SMART目標とは、目標をSpecific（具体的）、Measurable（測定可能）、Achievable（達成可能）、Relevant（関連性）、Time-bound（期限付き）の5つの要素で定義することで、達成しやすい目標を設定する考え方です。具体的には「今月中に過去問題集を1冊完了する」「週末までに第3章の要点をまとめる」など、測定可能な目標を立てます。最終目標に向けた段階的な目標を設定することで、達成感を継続的に得られます。

if-thenプランニング
if-thenプランニングは学習習慣化のテクニックのひとつです。「電車に乗ったら問題集を開く」「休憩時間になったらアプリを起動する」など、条件と行動をセットで決めておきます。

挫折しないためには、周囲のサポートも重要です。家族や同僚に学習目標を宣言し、応援してもらうことでモチベーションを維持できます。SMART目標やif-thenプランニングに加え、周りの応援も力にして学びを持続させましょう。