良い例と悪い例で解説!SOAPを使った看護・介護記録の書き方

効率良く介護記録を作ることができるSOAP。しかし使い方を間違えると、せっかくの利便性が失われてしまいます。今回はセクションごとに、簡単な記入例をご用意しました。良い例と悪い例を参考にしつつ、改めてSOAPの使い方を見直しましょう!

SOAPとは?

SOAPとは?

介護記録を効率化するためのフレームワーク

医療や介護現場で生じる様々な状況を体系的に記録し、情報共有をスムーズに行うために利用されているフレームワークです。主観的データ(Subject)、客観的データ(Object)、評価(Assessment)、介護計画(Plan)という4つのセクションから構成されています。

SOAPの記入例

SOAPの記入例

ここでは肺炎で入院し、「便秘」という看護問題がある患者さんを例に、水分摂取を促すための教育計画(E-P)と観察計画(O-P)を実施した際の記載例を紹介します。

・Sデータの良い記入例

こまめに水飲むよう気をつけてますよ。また便秘になったら困るもんね。

患者さんの言葉がそのまま書かれています。

・SデータのNG記入例

水分摂取の説明を概ね理解できている。息苦しいのはだいぶ良くなってきた。

看護師の解釈が入った書き方はNGです!また、看護問題である「便秘」と関連しない情報は不要です。


・Oデータの良い記入例

8:30 トイレにて排便あり(ブリストルスケール4、バナナ1本分)。腸蠕動音は4回/分。

11:00  水分摂取について、本人へE-P②実施。説明中は、うなずきながら聞いている。

客観的、かつ具体的に書かれています。また、実施した介護介入も明確です。

・OデータのNG記入例

8:30 正常な便が出ていた。腸蠕動音正常。

11:00  水分摂取について説明。理解への意欲は見られるが、少し咳き込んでいる。

曖昧な表現はNGです!また、「腸蠕動音正常」「意欲が見られる」といった内容は看護師の思考が含まれたアセスメントであり、事実とは別物。「咳き込んでいる」という部分も、看護問題と関連しないデータとなります。


・Aデータの良い記入例

成果:水分摂取量が増える

指導によって、必要な量の水分がより意識的に摂取できている。説明への理解は良好。成果指標に到達したと考え、成果は達成とする。

SとOのデータを根拠に書かれています。また、患者さんの看護問題に絞って言及することで、問題がどのように変化したかがわかる記録となっています。

・AデータのNG記入例

今日は自然排泄があってよかった。水分摂取量も増えており、説明内容について理解できている。しかしボーっとするときもあり、年相応に理解力が低下していると考えられる。

看護師の感想になってしまっており、患者さんが成果に近づいたのかどうかがわかりません。また、患者さんを尊重しない表現や、看護問題に関係しない内容もNGです。


・Pデータの良い記入例

以下追加・修正してプラン継続

・O-P②として追加:水分摂取量を記録できているか

・E-P②を修正:自発的に水分を摂取するよう説明する

修正内容がわかりやすく書かれています。

・PデータのNG記入例

指導のときに少し早口になってしまったので、次回からは気をつけたい。

看護師の抱負になっており、看護計画の方針も不透明です。


今回は、良い例・悪い例に分けて書き方を解説しました。

客観的に事実を記すことや、何をアセスメントしているのか意識しながら記すことが大切。ぜひ、参考にしてください!

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