事前の準備が未来を変える?~人生会議・エンディングノート~

家族に感謝を伝え、安心をもたらすツールとしての側面や、緊急事態が発生したとき、自身が望む対応を叶えるためのものとして存在している、人生会議やエンディングノート。利用者様の最期に向き合う専門職として、もし利用者様やそのご家族に尋ねられたとき、適切な回答ができるように、改めてその概要を振り返りましょう。

人生会議(アドバンス・ケア・ プランニング)・エンディングノートとは?

人生会議(アドバンス・ケア・ プランニング)・エンディングノートとは?

「人生会議」とは、アドバンス・ケア・ プランニング(Advance Care Planning)の愛称。もしものときのために、自らが望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組みのことです。

「エンディングノート」とは、自分の死後、家族が困らないように、さまざまな情報や葬儀に関する希望などを記すノートのこと。また、感謝の気持ちや自分の思いを伝える手段としても使われています。

エンディングノートを用意することで……

エンディングノートを用意することで……

エンディングノートに所有財産、金融機関情報、生命保険の情報などを記すことで、家族が情報を把握し手続きをスムーズに進めやすいのも1つのメリット。遺言書よりも気軽に書くことができ、ルールはないので思うままに自分の感情を記しても構いません。そして、生前に伝えられなかった感謝の気持ちや家族への思いを伝えたり、残りの人生でどのようなことをしたいのか、気持ちの整理をつけたりするのにも有効です。

人生会議をすることで……

人生会議をすることで……

命の危険が迫ったとき、約70%の人が自分の希望する治療を伝えられなかったり、自分でケアの方法を決めたりすることが難しいと言われています。人生会議をしておくことで、病気や事故で意思表示ができなくなってしまったときでも、家族が治療方針を決めやすくなり、家族の肉体的・精神的な負担の軽減にもつながるでしょう。また、家族や医療関係者とのコミュニケーションの向上も期待できます。

このような声も

「認知症の夫に胃ろうが必要と言われた。突然のことでどう判断したらいいかわからず、認知症になる前に夫からどうしたらいいか聞いておけばよかった」

「祖母から『エンディングノートを書いたから、読んで感じたことを言ってほしい』と言われ、最初は戸惑いましたが、時間をかけて話すうちに、だんだん穏やかに話し合えるようになりました」など……。エンディングノートは、無料配布している自治体もあります。利用者様、患者様が望む「終活」ができるように、その有効性を改めて一人ひとりが認識しましょう。

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