気温の上昇にともなって気になるのが「脱水」。脱水とは体内の水分とナトリウムやカリウムなどの電解質が減少した状態のこと。とくに脱水状態になりやすい高齢者は十分な注意が必要です。利用者様の安全・安心な暮らしをサポートできるよう、今一度、高齢者の脱水状態について理解を深めておきましょう。
高齢者が脱水状態になりやすい理由
- 加齢により体液(水分や電解質)の貯蔵庫である筋肉量が減少し、体内に体液を貯えにくくなる
- 加齢により腎臓の機能が低下すると多尿になり、体液が失われやすい
- 食欲の低下・不振で摂取する水分量や塩分量が不足する
- 誤嚥(ごえん)や失禁を恐れて水分摂取を控える
- のどの渇きを感じにくいため、水分や塩分の補給が不十分になる
- 発熱、おう吐や下痢といった症状で、水分だけでなく電解質も多く失われる。
こうした理由から、高齢者は常に水分の補給と排泄のバランスが崩れやすく、どのようなときでも脱水状態になりやすいと言えます。
脱水の予防法と万一のときの対処法
食事をきちんと食べること、そして、こまめな水分補給で予防しましょう。とくに、寝る前後、入浴の前後、運動前・運動中・運動後、飲酒後は、必ず水分をとってください。万が一、脱水状態になってしまったら、経口補水液を飲みましょう。経口補水液がない場合は、水分と塩分、糖分を一緒にとりましょう。もしものために、経口補水液を常備しておくと安心です。
\覚えておこう!/ 高齢者の要注意ポイント
- 認知症の場合は、脱水になっていることが理解できない!
- 脱水状態で血液が濃くかたまりやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞、熱中症で命を落とす危険につながる!
- そもそも高齢者はのどの渇きや水分不足を認識しにくい!
⇒「水やお茶を飲んでいるから大丈夫」と安易に考えないでください。脱水になっていないかどうか、周囲の人は常に観察し、こまめな水分補給を促しましょう。